Knowledge /実店舗の展開を加速させる寝具DTCブランド「Parachute」のマーケティング施策とは
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Parachuteについて
Parachuteの設立は2014年です。Ariel Kaye氏は、市場にリーズナブル且つ高品質な寝具ブランドがないと思い、Parachuteを創業しました。
創業者のAriel Kaye氏は、広告やブランド開発での10年のキャリアがあり、元々Crate&Barrelのファンでもありました。Kaye氏は、そのキャリアを活かし、様々なマーケティング施策に取り組んでいます。
Parachuteは寝具からスタートし、現在は枕、タオル、ラグ、テーブルクロスなども販売しています。さらに、2019年1月にはマットレスにも参入しました。
このポストでは
- Parachuteのマーケティング施策
- Parachuteの今後について
をまとめていきたいと思います。
Parachuteのマーケティング施策
Parachuteの初期
Parachuteの初期は、Shopifyでサイト構築し、健康とブランドを結びつけたコンセプトである「良い睡眠よりも大切なものは何か?」をSNSで発信し、ファンの獲得に注力しました。
この時期はタイミングも良く、ミレニアル世代が初めてのアパートや家を購入し始め、あらゆる年代の人が自分の家の写真をネットにアップするようになった時代でもありました。
その他にも、オンラインでの購入に抵抗のあるお客様にもご利用いただけるよう、30日間のトライアルや送料・返品無料のサービスを提供しました。これにより、1ヵ月後には約10%、3ヵ月後には約15%のお客様の次の購入に繋がりました。
さらに、他のブランドとのコラボレーションにも注力しました。その多くは女性が立ち上げたブランドでした。(例:Jenni Kayne、Clare V.、The Citizenry、Madewel、OSEAl)
コラボレーション先の選定軸としては、パラシュートのオーガニックやクラフトマンシップへのこだわりに共感し、パラシュートのラインを補う商品やお客様の要望に応える商品を持つブランドでした。
実店舗の設置
Parachuteは、次なる施策として実店舗の設置を行いました。実店舗の目的は、単に顧客(オンラインで購入する可能性がある)と交流することでした。
そのために、店舗は棚スペースではなくプレゼンテーションを中心に設計されており、定期的なイベントを開催して顧客の来店を維持しています。

#MyParachuteHomeというコミュニティ
Parachuteは、「#MyParachuteHome」というコミュニティを構築しました。その目的は、消費者がParachuteに関する会話をし、口コミを増やすためでした。

メルマガ配信
楽しい家の装飾コンテンツに加えて、今後の製品発売に関する情報を詰め込んだ定期的なメールの配信を行いました。これは、お客様と定期的にコンタクトをとり、webサイトへのアクセスを増やすためでした。
その他の取り組み
Parachuteは、その他にも仮想スタイリング相談プログラムの実施(テスト段階で100人のお客さんに使ってもらいCV率は50%)や、オンラインでの購買体験の摩擦の削減のために60泊の宿泊体験、送料と返品の無料化、商品の説明文やクローズアップ写真の掲載をしています。
さらに、シグネチャーアイテムである「Venice Set」の売上1つにつき、非営利団体「Nothing But Nets」を通じて、命を救う蚊帳を1つ購入するという取り組みをしています。
Parachute今後について
Parachuteは、さらなる実店舗の拡大を計画しています。現在20店舗を展開していますが、年末には25店舗に到達する予定で、この1年で実質的に店舗数が倍増しています。
参照:Parachute Is Fast Tracking As A Lifestyle Brand By Moving Into The Living Room
これは、Kaye氏の「Homeカテゴリーのようなブランドでは、お客様に直接商品を触っていただくために、ブランドが実店舗を持つことが特に重要だ」という考えによるものです。
これには、D2Cブランドにおいては、実店舗がある都市ではオンラインでの売上が高いという裏付けもあります。実際、Parachuteでは、実店舗のある地域のオンラインでの平均支出は10倍に増加しています。
さらに、Parachuteにおいては、店舗内コンバージョン率は50%で、オンラインより10%高くなっています。
参照:「実店舗」展開を加速する、米・寝具DTCブランドの考え方 : 2020年までに20店舗を計画
Kaye氏は、店舗をオープンするたびに何かを学べるとも語っており、Parachuteの実店舗は今後もその学びを活かしながらオープンされていくことでしょう。
まとめ
Parachuteのマーケティング施策と今後についてまとめると、D2Cブランドにおいても実店舗の存在がどれだけ大きいことかがお分かりいただけると思います。
顧客においては、オンラインやオフラインにこだわらず便利なところならどこからでもショッピングがしたいと考えています。
さらに、今回ご紹介したParachuteのような寝具メーカーなどの触り心地が問われる製品分野では、実店舗の設置やポップアップの開催を通じたリアルな体験がより重要になってくるでしょう。
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