Knowledge /年間を通じて使用される日焼け止めを目指す|Supergoop!のマーケティング戦略
- マーケティング 美容
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Supergoop!とは
近年、世界中から大注目を集めているUVケアブランド「Supergoop!」をご存じでしょうか。
Supergoop!は、*クリーンサンスクリーンを謳う、皮膚がんの撲滅運動からスタートした、日焼け止めに特化した肌にも環境にも優しいブランドです。同社は、2007年、Holly Thaggard氏によってアメリカで設立されました。
*クリーンサンスクリーンとは、化学物質の少ない、より肌に優しい日焼け止めを指す言葉

本記事では、
- Supergoop!の日焼け止めに込められた想い
- Supergoop!のマーケティング戦略
について紹介します。
Supergoop!の日焼け止め

約20年前、創業者のThaggard氏の親友が29歳という若さで皮膚がんと診断されました。そこで、なぜ若いのにもかかわらず皮膚がんに罹患するのかの研究を開始し、日常的に太陽の光を浴びることが、将来の皮膚の健康に大きく影響する可能性があることを発見しました。
Thaggard氏はこの重要な情報を広め、人々の命を救うために、日焼け止めブランドSupergoop!を立ち上げることを決意します。
Thaggard氏は、単に日焼け止めを販売するだけでなく、人々が日焼け止めについて持つ認識を根本から変えることを目指しました。具体的には、日焼け止めを毎日のスキンケアルーチンの一部として取り入れることの重要性を強調し、使用する楽しさや美しさを伝える商品を開発しました。
Supergoop!が提供する日焼け止めには、以下のような特徴があります。
- 毎日使用しやすいように重さを感じさせない軽い付け心地
- 紫外線吸収剤・防腐剤・香料を含まない商品づくりで白浮きしない
化粧下地として使用できるため日焼け止めの塗り忘れを防止できる40種類以上のアイテムが展開されており、それぞれの特徴を理解したうえで自分に合ったものを選べます。
Supergoop!のマーケティング戦略
Supergoop!は、消費者が年間を通じて同社の日焼け止めを使うことを奨励しています。その理由は、太陽の紫外線は季節を問わず肌にダメージを与える可能性があり、夏だけでなく、一年中日焼け止めを使うことが肌を保護する上で非常に重要なためです。
この理念を広めるため、Supergoop!は最初の商品を発売後、消費者に日焼け止めを毎日使用することのの重要性について教育することに重点を置きました。高品質な商品を提供することは重要ですが、なぜそれが必要なのかを消費者に理解してもらうことが最も重要だと考えたからです。
上記の想いや理念を多くの人々に広めるため、Supergoop!は当初ターゲット層としていたミレニアル世代だけでなく、さまざまな年齢層や背景を持つ人々にも商品を届けることを目指しました。そこで多岐に渡るマーケティング施策を実施した結果、現在では世界中から注目を集めるUVケアブランドに成長しました。
本章では、Supergoop!が実施したマーケティング戦略を4つ紹介します。
1.SNSの活用

Supergoop!の目標は、ミレニアル世代の女性だけでなく、男性や年配の世代も顧客として引き込むことでした。そこでSupergoop!は、既存の広告チャンネルから一歩踏み出し、TwitchやSnapchatといった新しいソーシャルプラットフォームへの展開を含む、伝統的なメディアへのアクセスを拡大したのです。
◆Snapchat
Snapchatでは、Supergoop! Snapchat フィルターを起動することで、「Lipshade SPFリップスティック」の全5色を試すことができるSnapchatフィルターとのパートナーシップを開始しました。これは、夏の間だけでなく年間を通じて日焼け止めの使用を促進しようとする取り組みで、楽しく魅力的な方法で商品を宣伝することに成功しました。
◆Twitch
Supergoop!は ゲーマーが多く集まるTwitchの「Every. Single. Day」というキャンペーンを活用し、男性顧客をターゲットにした動画広告の配信を実施。動画内には映画監督でシェフのオリバー・イングリッシュとサーファーのハンター・ジョーンズという2人の男性が出演し、毎日日焼け止めを使用することの重要性を強調しました。
インフルエンサーマーケティング代理店MediaKixによると、Twitchを利用する中核層は65%が男性ユーザーで、そのうち73%が35歳以下であることが分かっています。このデータから、Twitchの視聴者層はこれまで広告を出している他のチャンネルよりも男性が多いため、これまでになかった方法で同社は男性ターゲットを増やすことに成功しました。
◆TikTok
TikTokでは、ブランドメッセージを伝えるために、ブランドの独自性や価値観を前面に押し出し、消費者に共感を感じさせるようなショートムービーを製作。商品の特徴やユニークな使用方法をわかりやすく伝えることに成功しました。
2.屋外広告や印刷物などの媒体も活用し幅広い層へリーチ

同社は、屋外広告や印刷物などのさまざまな媒体を通じて、幅広い層へリーチするマーケティング戦略を展開。2023年には、屋外広告戦略への投資を前年比22%増加させました。この戦略により、これまでターゲットとしていなかった男性やシニア層へのアプローチにも成功しました。
また、夏場は紫外線が強まる季節なので、日焼け止めの需要が高まります。Supergoop!はこの時期に合わせ、「サンシャイン・シャック」というポップアップストアを全米各地に出店しています。
「サンシャイン・シャック」では、来店客のニーズに合わせた商品選びをサポートするため、「SPFメニュー」というガイドを用意しています。このメニューを参考に、顧客は自分の肌質や用途に合わせた最適な日焼け止めを見つけることができます。
さらに、実際に商品を手に取ってテクスチャーや使用感を確かめられるのも大きな魅力です。気に入った商品はその場で購入可能。Supergoop!の日焼け止めを、より身近に感じてもらえる機会となっています。
このようなポップアップストアの展開により、Supergoop!は潜在顧客との直接的なタッチポイントを増やし、ブランド認知度の向上と売上アップを図っているのです。
3.インフルエンサーマーケティング

Supergoop!は、インフルエンサーマーケティングも効果的に活用しています。
まず、Supergoop!は自社の商品に情熱を感じ、同社の価値観に共感してくれるインフルエンサーとパートナーシップを結びます。そして、そのインフルエンサーたちを「ブランドの拡声器」として位置づけ、彼らの影響力を最大限に活用しているのです。
インフルエンサーは自身のスキンケアルーチンやお気に入りのコスメを紹介する際に、自然な形でSupergoop!の商品を取り上げます。日常的な使用シーンで商品の魅力が伝えられることで、フォロワーはブランドに親近感を抱き、認知度も高まっていきます。
さらに、インフルエンサーの発信を通じて、Supergoop!の商品に興味を持つ潜在顧客へのリーチも可能になります。ブランドに共感し、商品を購入・使用する新たなファンが増えていくのです。
このように、Supergoop!はインフルエンサーとのコラボレーションを通じて、ブランドの認知度向上とファン獲得において大きな成果を上げています。
4.オムニチャネル戦略
Supergoop!は、オムニチャネル戦略を推進することで、顧客が好むさまざまな販売チャネルに商品を提供し、消費者ニーズに柔軟に対応しています。
【Supergoop!の主な連携先】
オンラインモール
実店舗
- Sephora
- Nordstrom
- Bluemercury
オムニチャネル戦略により、Supergoop!は”今すぐ欲しい”という消費者の要望に素早く応えられる環境を作り出しています。さらに、オムニチャネル戦略を通じて、日焼け止めを求める幅広い顧客との接点を持つことにも成功しており、ブランド認知度の向上にも繋がっています。
このように、Supergoop!はオムニチャネル戦略を効果的に活用し、顧客満足度の向上とブランド価値の向上を実現しています。多様化する消費者ニーズに対応しながら、ブランドの成長を続けていく上で、同戦略は欠かせないものとなっているのです。
Supergoop!の成功要因
わたしたちは今回の調査を通じて、Supergoop!の成功要因は主に3つあると考えています。
1.日焼け止めの重要性を訴求するビジョン
創業者のHolly Thaggard氏の個人的な経験から、Supergoop!は日焼け止めの重要性を広めることをブランドのビジョンとして掲げました。
単なる商品販売ではなく、日焼け止めを毎日のスキンケアルーチンに取り入れることの大切さを訴求し、消費者の意識改革に取り組んだことが成功の要因となっています。
2.多様なマーケティング戦略の展開
Supergoop!は、ターゲット層に応じて多様なマーケティング施策を実施しました。
SNSではSnapchatやTwitch、TikTokなどのプラットフォームを活用し、若年層へのアプローチに成功。さらに、屋外広告や印刷物などの伝統的な媒体も併用することで、幅広い世代へのリーチを実現しました。インフルエンサーマーケティングも効果的に活用し、ブランドの認知度向上とファン獲得に貢献しています。
3.オムニチャネル戦略による顧客利便性の向上
Supergoop!は、顧客が好むさまざまな販売チャネルに商品を提供するオムニチャネル戦略を推進しました。
Amazonでの販売強化や、ECサイト、ソーシャルメディアでの積極的な活動により、消費者の利便性を高めることに成功。”今すぐ欲しい”という顧客ニーズに迅速に対応できる体制を整えたことが、ブランドの成長につながっています。
まとめ
ブランド創業者の描くビジョンや、それに沿った様々な戦略を展開したことで、Supergoop!は日焼け止めの重要性を訴求するブランドとしての地位を確立し、幅広い顧客層からの支持を獲得することに成功しました。
Supergoop!の成功は、単なる偶然や一時的な流行ではなく、戦略的なブランディングとマーケティングが実った結果であると言えます。
同ブランドの事例は、他の企業にとっても示唆に富むものであり、戦略的なブランディングとマーケティングの重要性を物語っています。今後も、Supergoop!が日焼け止めの重要性を訴求し続ける限り、同ブランドの成長と発展は揺るぎないものになるでしょう。
追伸

上記は実際に実際に筆者がSEPHORAで購入してみたSupergoop!の日焼け止めです。商品の外箱にも、同社の特徴であるケミカルフリー・オイルフリーなどの記載がされており、Supergoop!を知らない人でも一目で日焼け止めの特徴が分かるように設計されています。
ベタ付きも一切なく、塗った後の肌なじみも良いため、日焼け止めを塗っているのを感じさせないテクスチャでした..!(すごい)凄いと感じました。
<参考記事>
Supergoop!’s Super Growth Strategy
How Supergoop is leaning into out–of-home and experiential marketing
How Success Happened for Holly Thaggard, Founder of Supergoop
How Supergoop aims to reach men with its new omni-channel campaign
Blackstone And Supergoop! CMOs On Building Brands That Stand The Test Of Time
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