Knowledge /寝具ブランドBrooklinenが実行したマーケティング施策とその戦略
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Brooklinenについて
Brooklinenの設立は2014年です。「最高のシーツを手ごろな価格でデザイン、制作、共有する」というコンセプトで創業しました。Brooklinenは、シーツからスタートし、現在は布団、枕、毛布などの家庭用品なども販売しています。
Brooklinenの販売モデルは、バックエンドや中間業者のコストを排除し、より優れた消費者への直接販売モデルを活用することで、最高品質の高級リネンや寝具を、高級品のような価格帯ではなく、お客様が求める形で市場に提供するというものでした。
2016年までに前年比10倍の成長を遂げ、2年目の売上高は2,500万ドルに到達しました(出資などなしで)。2019年については、黒字および1億ドル(約108億円)の収益達成の見込みです。
このポストでは
- Brooklinenのマーケティング施策
- Brooklinenのマーケティング戦略
をまとめていきたいと思います。
Brooklinenのマーケティング施策
Brooklinenのマーケティングチャネルは以下のようになっています。
・Instagram:31.5万人フォロワー
・Twitter:3,993人フォロワー
・Pintrest:7001人フォロワー
・Facebook:284,922人フォロワー
・YouTube:チャンネル登録者数 204人
・TikTok:なし
・LinkedIn:なし
・ブログ:Brooklinen公式
*2022年11月5日時点
Brooklinenの初期のマーケティング施策は、顧客が探している商品の種類についてパターンを見つけるため多くの寝具小売店を訪れ、500人にインタビューを実施することでした。
初期は特に口コミが重要だと考えていたため、Newyorkのブロガーやインフルエンサーたちに手書きのメモとともにシーツを配り、60枚のシートセットを送りシーツを試した感想をネットにポストするように依頼しました。結果として、初月に売り上げ25万ドル達成しました。
さらに、地下鉄広告やEメールマーケティング、FaceBook・Instagramの投稿も実施していきました。以下は実際の地下鉄広告です。

Brooklinenでは、この地下鉄広告の効果を計測するために、送料無料または割引を受けられるプロモーションコードをこの広告に記載しました。
さらに、有料とオーガニックのソーシャル施策を3人の社員のみで回していました。その際に意識していたことは以下の3点です。
・マイクロインフルエンサー、マクロインフルエンサーをどちらも巻き込み、口コミによる紹介を促進すること
・ユーザー生成コンテンツ(UGC)を活用したブランド広告を促進すること
・すべてのソーシャル・プラットフォームから提供されるデータを継続的にテストし、適切な時間、場所、適切なメッセージでカスタム・オーディエンスをターゲットにすること
インフルエンサーマーケティングエージェンシーMediakixも利用していました。Brooklinenは、10人の住宅デザインとライフスタイルのインフルエンサーに、トレンディな住宅でブルックリネンの製品をどのように使用したかを示すよう依頼しました。
実際の投稿はこちらです。

結果として、インフルエンサーが投稿したソーシャルメディアコンテンツを見た人の総数は160万人に到達。インフルエンサーからのブログの総視聴者数は210万人に到達しました。
この結果から、Brooklinenはさらにインフルエンサープラットフォームに投資することを決めました。
次は、インフルエンサーマーケットプレイスACTIVATEを利用し、12人のライフスタイルインフルエンサーを使い、24以上のカスタムコンテンツを生成しました。
これらのインフルエンサーは、パーソナライズされた割引コードを共有することで、フォロワーにBrooklinenの新しいシーツを購入するように勧めました。
結果として、上位3人のインフルエンサーは、新しいラインで$ 7,300の売り上げをもたらしました。
さらに、ペットも取り入れたインフルエンサーマーケティングの実施も始めました。

Brooklinenは、ShopifyでもECサイトを立ち上げています。利用していたShopifyプラグインは以下の通りです。
・Klaviyo: Email marketing
・Hotjar: Heat mapping and user analytics
・Dynamic yield: For A/B testing and end-to-end personalisation
・Optimizely: Also for A/B testing
・Loop: Common returns management platform
・Swell: Customer rewards and loyalty
・Foursixty: User-generated content and shoppable feed
・Shopmessage: Automation for Facebook messenger
・Yotpo: Customer reviews
・Postscript SMS marketing
・Shop pay: Accelerated checkout
・Affirm: Buy now, pay later
・Venmo: Digital wallet
以下はsimilarwebのトラフィックソースです。

Brooklinenのマーケティング戦略
Facebook広告戦略について
Brooklinenは当初、全体の広告予算の75%をFacebookに投資していたが、最終的には1つのチャネルで顧客獲得するのは難しく、CPMも高騰していたため、複数のマーケティングチャネルを利用することにシフトしました。
各広告にはBrooklinenのセールスポイントや割引などのCTAを1つ以上含むようにしていました。
Google広告戦略について
各広告で1つの製品に焦点を当て、ブランドプロミスのメッセージを伝えるようにしていました。その他のバリエーションとしては、ファネルの底辺にいるユーザーをコンバートするために、割引キャンペーンやプロモーションオファーを行っています。
Eメールマーケティング戦略について
Brooklinenは、Eメールで以下の内容を発信しています。
・顧客が利用できる最新の取引や割引情報
・商品を紹介する「You’ll love」コーナー
・ブランドの約束、配送、返品に関するポリシー、または特典やVIPプログラムへの招待を強化するモジュール
・特定の製品について、より詳しく説明するモジュール
オンラインユーザーエクスペリエンスの向上
BrooklinenのECサイトでは、シンプルなステップで購入が完結するようになっています。
ユーザーがイメージできるようにたくさんの画像を用意し、カラーとパターンを選択すると、下の3つのboxに選んだ商品が表示されるため色の組み合わせを考えやすくなっています。

また、購入したい製品を選択すると以下のより細かい情報が出てくるようになっています。
・レビュー
・製品のUSP
・実際に使用されている意欲的なインスタグラム画像
・製品の問題点をより詳しく
・その他のおすすめ商品
・その他のレビュー
さらに、カートページでは購入する製品の金額+アップセルを狙うため他の製品も推奨。+noteを残すセクションの用意もされており、チェックアウトページではshop payにも対応しています。
「スペイシーズ(Spaces)」リリース
Spacesとは、Spaces内で紹介された商品をユーザーが購入できるサイトです。Brooklinenの商品以外にも10を超えるほかのD2C企業の製品も扱っています。
D2Cブランドが単体で成功するのはほぼ不可能と考えられており、協業しながらブランドを伸ばすためにリリースされました。
顧客プログラム:Brooklinen Comfort Crew Rewards Program
Brooklinenでは、3つの顧客レベルに応じて、様々な特典が用意されています。
このプログラムによって2020年8月のすべてのウェブサイトトラフィックの約12%を占めることが出来ました。Brooklinenのトップライバルの1つであるParachuteの、2020年8月の紹介からのトラフィックは約7%しか無かったことを考えると、大きな成果であることが分かります。
まとめ
ここまでBrooklinenのマーケティング施策と戦略について見てきましたが、かなり多くの取り組みがされていることが分かります。
特に、インフルエンサーマーケティングに注力しており、その成果も大きく、成功していることが分かりました。
また、割引や顧客プログラムもうまく活用できており、参考になる点は多々ありそうです。2020年1月には、初の実店舗もオープンしており、これからもますますの拡大が見込まれます。
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